こんにちは、ラテン旅のポンです。
このブログでは、中南米の旅について紹介しています。
コロンビア・カリの街が熱気に包まれる毎年恒例の「ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル(Festival Petronio Álvarez)」は、アフロ・コロンビア文化の魅力がぎゅっと詰まった一大イベントです。今回は、「ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル」に参加したリアルな体験談をお届けします。
目次
ペトロニオ・アルバレス・フェスティバルとは?
ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル(Festival Petronio Álvarez)は、コロンビアのカリで毎年8月の第3週に開催される、アフロ・コロンビア音楽と文化の大イベントです。このフェスティバルでは、クンビア(Cumbia)やサルサ(Salsa)、クルラオ(Currulao)など、コロンビアの多様なアフリカ系音楽を体験できるだけでなく、地元の伝統料理や工芸品も楽しむことができます。
ちなみに、現地では一般的に「ペトロニオ」と略して呼ばれています。この記事でも、「ペトロニオ」としてご紹介していきますね。
私のリアルな体験記
では、ここからは実際に私が足を運んで体験した、フェスティバルの熱気と感動をお話しします。
ペトロニオを知ったきっかけ
実は、カリに着いた時点では「ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル」についてほとんど知りませんでした。そんな私にこのイベントの存在を教えてくれたのが、滞在していたホステルのオーナーご夫妻です。
「朝から晩まで音楽とダンスが続く、カリを象徴するイベントだから、ぜひ行ってみて!」とすすめられ、私も足を運んでみることにしました。
11時に会場に到着
「ペトロニオ・アルバレス・フェスティバルは朝から音楽やダンスがある」と聞いていたので、私は昼前の11時ごろに会場へ向かいました。「少し早めのほうが混雑も避けられるかも」と思ったのですが、到着してみると、まだほとんど人がいない状態でした。
会場はガラガラで、フードブースも9割ぐらいは準備中。ライブパフォーマンスも始まっておらず、ステージは静かなままでした。ただ、会場内にはアフロ・コロンビア音楽のBGMが流れていて、ほんのりとしたイベントの雰囲気は感じられました。
ですが、期待していたような熱気はまだなく、「ちょっと早く来すぎたかな?」と感じました。
徐々に人が集まり始める
11時40分頃から、少しずつ会場に人が集まり始めました。最初はまばらだった来場者も、昼が近づくにつれて徐々に増えていき、12時半を過ぎる頃にはかなりの賑わいになりました。まだフードブースの一部は準備中でしたが、少しずつフェスティバルらしい熱気が広がっていきました。
そして午後1時半ごろには、座席もほぼ満席状態に。会場全体が「これぞカリ!」というようなエネルギーに包まれ、ようやく本格的な「ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル」が始まったのを実感しました。
警察官たちの音楽パフォーマンス
特に印象的だったのが、フードブース近くで出会った音楽隊です。アフリカ系の警察官たちが制服姿のまま、太鼓や打楽器を演奏していました。
彼らの笑顔と音楽からは、楽しさが伝わってきて、見ている私も心が温かくなりました。こういった光景は、ただのお祭りというだけでなく、コロンビアにおける文化的多様性や、社会の一体感を象徴しているようにも思え、とても感動的でした。
ペトロニオで味わう伝統料理
ペトロニオ・アルバレス・フェスティバルでは、アフロ・コロンビア文化の音楽やダンスだけでなく、地域の伝統料理も大きな魅力の一つです。私もせっかくの機会なので、現地ならではの料理と飲み物を体験してみることにしました。
今回、私が頼んだのは、「スダド・デ・カマロン(Sudado de camarón)」と「マラクマンゴー(Maracumango)」です。
「スダド・デ・カマロン」は、海老をココナッツソースでじっくり煮込んだ料理で、タイ料理にも似たまろやかさがあり、以前タイに住んでいた私にとってはどこか懐かしく、ホッとする味わいでした。スパイスの効き具合もちょうど良く、思わずスプーンが止まりませんでした。また、写真に載っているオムレツのようなものは、バナナを揚げたもので、これもとても美味しかったです。
一方、「マラクマンゴー」は、パッションフルーツやマンゴーなどが入った、甘くて酸味のある味わいが特徴的なトロピカルジュースです。フルーツの果肉がゴロゴロと入っていて、ジュースというより「食べるドリンク」のような感覚でした。あまりにも美味しかったので、マラクマンゴーは一人で二杯も飲んでしまいました。
ちなみに値段は、「スダド・デ・カマロン」が45,000COP(当時のレートで約1,660円)、「マラクマンゴー」が10,000COP(約370円)でした。少し高い気もしますが、味とフェスティバルの雰囲気込みで考えると、十分に満足できる内容でした。
コロンビアの伝統的なアルコール飲料「Viche(ビチェ)」
また、地元ならではの飲み物で、特に印象的だったのが、コロンビアの伝統的な蒸留酒「Viche(ビチェ)」です。これは、焼酎のような風味を持ち、かなりアルコール度数の高いお酒です。
「これが伝統的な飲み物だよ!」と試飲を渡され、ビチェが何かを知らなかった私はてっきりハーバルドリンクか何かだと思い、「そうなんだ、じゃあ飲んでみよう!」と一口飲みました・・・が、想像以上のアルコール感に思わずびっくりしてしまいました。焼酎に似た強さを持ちながらも、どこかハーブのような香りと土着の風味があり、独特な味わいでした。
私は普段お酒を飲まないので、少しの試飲でしたが、それでも飲み切れませんでした。ですが、お酒好きの人(特に焼酎好き)にはきっと気に入られる味だと思います。また、ローカルの文化を深く味わいたい人も、一度は飲んでみるといい体験になるかもしれませんね。
午後4時、いよいよコンサート会場へ
午後4時ごろから、ライブパフォーマンスが始まると事前に聞いていたので、その時間にコンサート会場に向かいました。
しかし、コンサートが始まる雰囲気はまったくありませんでした。会場の警備スタッフに聞いてみたところ、実際の開演は18時からと言われてしまいました。最初に聞いていた情報と違い、結局2時間以上も待つことになってしまいました。
18時ごろになると、多くの観客が会場に集まりはじめていて、すでに周囲は人でいっぱいでした。熱気と高揚感が会場を包み、まさに「カリのペトロニオ・フェスティバルに来ているんだ」と実感できる貴重な時間となりました。
ステージに流れる音楽に合わせて、観客たちがリズムに乗って体を揺らす様子からは、会場全体に熱気があふれていました。まさにペトロニオの核心とも言える、アフリカ系コロンビアの音楽と文化が情熱的に表現される瞬間で、その迫力は圧巻でした。
帰り道の混雑と苦労
イベントは夜遅くまで続いていましたが、コロンビアの治安が心配だった私は、まだコンサートが終わっていない20時頃に会場を後にしました。ところが、ここからがまた一苦労でした。会場周辺は人であふれかえり、タクシーを捕まえるのがとても大変でした。さらに、人が多すぎるせいでスマホのネット環境も悪く、配車アプリもほとんど使えない状況でした。結局、タクシーに乗るまでに1時間40分以上もかかってしまいました。
このイベントに行ったときは、まだ現地に友達もほとんどおらず、頼れる人もいない状態でした。コロンビアという異国の地で、インターネットも不安定で、家にちゃんと帰れる保証もなく、一人でタクシーを待つ心細さは半端なくて、「あー、もう今日は野宿になっちゃう!!」と半泣き状態でした笑。ですが、今では、この体験もペトロニオの熱気と一体になった、忘れられない思い出のひとつだと感じています。
まとめ
ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル(Festival Petronio Álvarez)は、音楽、ダンス、文化が一体となったイベントであり、アフロ・コロンビア文化を深く感じることができます。会場の混雑や待ち時間もありましたが、それ以上に感じられた熱気やエネルギーは、私にとって非常に貴重な体験でした。
もしカリを訪れる機会があれば、ペトロニオは絶対に外せません!音楽やダンスはもちろん、地元の食文化や人々との交流を通じて、コロンビアのアフロ・コロンビア文化の魅力を存分に味わえますよ。
以上、今回はコロンビア・カリで開催される「ペトロニオ・アルバレス・フェスティバル」のリアルな体験談をお届けしました。
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